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寛政三美人 富本 豊雛

寛政三美人 富本 豊雛

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冨本豊ひな とみもととよひな

筆 :喜多川歌麿
版元:耕書堂
制作年:寛政5年(1793)

江戸時代を代表する浮世絵師・喜多川歌麿が寛政年間(1790年代前半)に描いた美人画の傑作です。本作は、当時名妓として名高かった 富本豊雛 を主題に、上半身を大きく捉えた大胆かつ繊細な構図で仕上げられています。

背景を極力そぎ落とし、人物の佇まいと表情に視線が集中するよう意図されたこの構図は、当時としては斬新であり、歌麿が追求した “人物の内面まで写し取る美人画” の理想をよく示しています。華やかな衣装や髪飾り、やわらかな目線には、吉原という当時の都市文化と、そこに生きる女性たちへの深いまなざしが反映されています。

また、摺りの技法にも注目したい点があります。本作では雲母摺(きらずり)と呼ばれる技法が用いられ、雲母(きらら=鉱物の粉末)が背景に一面に施されているため、光を受けると繊細で華やかな輝きが浮かび上がります。この表現は、美人画の雅やかさをさらに高める効果を持っています。

江戸の町人文化を象徴する歌麿の代表作のひとつとして、当時の審美眼や技術の高さを今に伝える一枚です。

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