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江戸複製木版画~当世踊子揃・鷺娘(とうせいおどりこぞろえ さぎむすめ)

江戸複製木版画~当世踊子揃・鷺娘(とうせいおどりこぞろえ さぎむすめ)

通常価格 ¥22,000
通常価格 セール価格 ¥22,000
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当世踊子揃 鷺娘 とうせいおどりこぞろえ さぎむすめ

筆 :喜多川歌麿
版元:耕書堂
制作年:1780年代後半~1790年代初頭

映画『国宝』の冒頭とエンディングで、新旧の人間国宝である田中泯と吉沢亮が演じた舞踊「鷺娘」。その幻想的な世界は、江戸時代中期にすでに多くの人々を魅了していました。
喜多川歌麿が描いた《鷺娘》は、当時大変な人気を誇った歌舞伎舞踊「鷺娘」を題材とした浮世絵です。

「鷺娘」は、白鷺の精が美しい娘の姿に化身し、叶わぬ恋への苦しみや未練を抱えながら、雪の舞う中で消えていくという哀切極まる物語です。その儚さと情感は、観客の心を強く揺さぶり、江戸の舞台文化を代表する演目のひとつとなりました。

歌麿が本作を制作した正確な年は明らかではありませんが、天明期(18世紀後半)頃と推測されています。版元は蔦屋重三郎。本作は、歌麿が本格的に美人画へと転じる以前、役者絵の分野で高い評価を得ていた時期の代表作として位置づけられます。

画面には、雪の降りしきる舞台に立つ一人の娘が描かれています。頭には白鷺を思わせる冠帽を戴き、袖を大きく広げ、伏し目がちに立つ姿は、舞踊のもつ幽玄さと哀感を静かに伝えます。柔らかな輪郭線と淡い彩色によって、舞台の緊張感と幻想性が巧みに表現されており、この理想化された女性像は、後の歌麿の美人画表現を先取りするものでもあります。

本来、「鷺娘」の衣装は白無垢であった可能性が高いと考えられていますが、歌麿は本作で必ずしも白一色の装いを描いていません。その理由は定かではなく、当時の舞台衣装の実態を反映しているのか、あるいは画面効果を意図した表現であったのか、現在も興味深い議論の対象となっています。

本作には、彫師・摺師による高度な職人技が凝縮されています。歌麿の繊細な下絵を再現するため、彫師は刀の角度や力加減を微細に調整し、線の強弱や太細を刻み分けました。とくに、雪花を思わせる衣装の文様や、透かし表現が施された白鷺冠帽の下に描かれた通し毛は、毛割りに至るまで執拗なほどの精度で彫り出されています。

摺りの工程でも、白の表現には胡粉が用いられ、さらに**雲母摺(きらずり)**によって、光を受けると静かに輝く効果が与えられました。背景の雪景色にはぼかし摺りが施され、画面に奥行きと情感をもたらしています。これらを完成させるため、摺師は「見当」と呼ばれる位置合わせを頼りに、何度も重ね摺りを行い、微妙な濃淡と立体感を生み出しました。

本作は、役者絵としても非常に貴重です。当時の人気女形、五代目岩井半四郎らが演じた姿をモデルにしたとも考えられ、所蔵品によっては画面の一部に役者名や役名が記されている例もあります。浮世絵が、美術品であると同時に、芝居や役者の魅力を伝えるメディアであったことを物語っています。

現在、歌麿の《鷺娘》は、大英博物館、メトロポリタン美術館、国立劇場伝統芸能情報館など、国内外の主要機関に所蔵されています。とくに大英博物館所蔵品は保存状態が良好で、雲母摺の効果を明瞭に確認できる点でも知られています。

小見出し:複製について

浮世絵カフェ蔦重の復刻木版画は、東京国立博物館所蔵本をもとに忠実に複製された作品です。比較対象となる他館所蔵品では修正されがちな劣化部分についても、本作ではあえて再現し、クラシカルな風合いを残しています。新品でありながら、時を経た木版画の趣を感じられる一枚です。
台東区の彫師・摺師による伝統技法を、ぜひ手に取ってお楽しみください。限定10部のみの制作・販売となります。

小見出し:額装・保護について

本作は、木版画に最も適するとされる越前生漉奉書紙を使用しています。和紙本来の風合いを楽しめるよう、クリアパネルの額装を採用し、紙の「ミミ」まで鑑賞できる仕様もご用意しています。
大切な方への贈り物としても、江戸の美意識と職人技が伝わる特別な一品となるでしょう。
※ミミ付き仕様は在庫状況によりご案内できない場合があります。

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